アダルトチルドレンってそもそもなんだ?

みなさんは、アダルトチルドレンって聞いたことありますか?

アダルトチルドレン=機能不全家族で育ち、生き辛さ等の弊害を感じている人のこと

を一般的に指しています。

「私はアダルトチルドレンだ」気づいて、自助グループなどで活動している方もいるかと思います。筆者もそれから始まり、研究が面白くなってイギリスの大学院まで来てしまいました笑

しかしながら、実は心理学では「アダルトチルドレン」という診断名は存在しません。

今回は心理学でどんな風に今は扱われているかを書きたいと思います。

アダルトチルドレンはどこから出てきた?

1960年代 アメリカで発祥

アダルトチルドレンは戦後すぐ1960年代のアメリカで出来た言葉で、Adult children of Alcoholicsの略です。アルコール中毒者の親に、子供時代育てられた大人のことを指していました。

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1960年代くらいのアメリカでアルコール中毒者が増え、共通してその子供たちが成長した後に自傷行為だとかうつ病だとかを見せはじめました。

これはなんだと驚いたソーシャルワーカーや心理療法家たちが、その人たちを総称してつけた言葉です。

同年代 戦後イギリスロンドンでの戦争孤児の研究

その頃のイギリスロンドンには、戦時中のドイツ軍による空爆により親を失ったたくさんの戦争孤児がたくさんいました。

その子達が成長した際に、やはり自傷行為やうつ病等の症状を見せていました。

精神科医だったジョン・ボウルビイ先生はこれを見て、「愛着理論(幼少期の親の存在がどんな風に子供に影響するのかを定めた理論)」を提唱し、その研究を始めました。(余談ですが、筆者の専攻はこれです)

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引用:John Bowlby Biography – Life of British Psychologist

1980年代 Adult childrenの解釈が拡大

イギリスで愛着理論の研究も進み、アメリカでも研究が始まりました。

その研究が進んできたこともあり、アル中の親を持つAdult children of alcoholicsだけではなく、親がいなかったり、虐待気味だった家庭で育った、Adult children of Dysfunctional family(機能不全家族で子供時代を過ごした大人)もAdult children of Alcoholicsと同じような症状があることがわかってきました。

そして

Adult children of Alchoholics
Adult children of dysfunctional family

の二つの頭文字をとって、Adult children(機能不全家族で育った大人)という言葉が誕生しました。

現在のアダルトチルドレン

今でも、「アダルトチルドレン」という言葉は心理学界では取り扱っていません

もともとソーシャルワーカーの人たちに取り上げられていた言葉がこぞってマスコミ取り上げられたこともあり、心理学の世界からどんどん遠ざけられていきました。

また、今は「これをされたら、子供にこれが起きる」という詳細な研究も進んできており、「機能不全家族に育てられた人」という大きすぎる解釈は、科学である心理学には向いていないからと使われなかったということはあると思います。

しかし、「機能不全家族に育てられた人」という解釈の大きさが様々な家庭の問題を持つ人を迎え入れるのに便利なため、今でも「アダルトチルドレン自助グループ」というものが日本を含め、世界中にあります。

まとめ

「私はアダルトチルドレンです」と自助グループ等で名乗るのは全く問題ありません。

ただ、心理学や精神医学の言葉ではないので、カウンセラーさんや精神科医の先生に、「私のアダルトチルドレンを治してください!」と相談すると、人によっては「?」となることがあるかと思いますので、気をつけてあげてください笑

アダルトチルドレンだと自覚していて、それを治したくカウンセリングや心療内科に通う際は、「こういうことで悩んでいます」(例えば、罪悪感が酷くて辛いです等)といった風に具体的な症状を伝えてあげるようにしましょう!

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