愛着理論の新理論DMMモデルとは【「安定型」、「不安型」、「回避型」は少し古いです】

  • 愛着理論の最新研究ってどうなってんの?
  • 自分や周りの人が愛着障害で、愛着のことをもっと知りたい!

といった、愛着障害に関しての理論をもっと深く勉強したい方向けの記事になります。

この記事では、

  • 愛着理論の最新理論であるDMM理論の概論について解説します。
  • 「安定型」、「不安型」、「回避型」と何が違うのかを解説します。

愛着理論や愛着障害を勉強していると、「安定型」、「不安定型」、「回避型」というのがよく出てきますよね。

世界の学術界ではこちらがまだ主流です。

しかし、これより新しい理論がアメリカを中心として出始めています。日本にも当然広まっていないので、日本語で書籍や情報を探しても見つかりません。

なので、「愛着理論研究」でイギリスの修士号を取得(予定)の大学院生の筆者が日本語で分かりやすく解説していきます。

5分程度で読み終わるので、ゆっくりと読んでいってください!

DMMってなんぞや

DMMとはなんかたまに街中で聞く単語ですが、それではありません笑

Dynamic Maturational Model of attachment( 愛着の動的-成熟モデル)という愛着理論の新理論のことです。アメリカのPatricia Crittenden先生という方が提唱している理論です。

引用:https://www.patcrittenden.com/include/dr_crittenden.htm

今までの愛着理論での大人の愛着型の解釈では、

  • 安定型
  • 不安定型
  • 回避型
  • 恐れ-回避型

といった風に四つでの解釈しかできませんでした。

ですが、DMMでは大きな円で対人関係における人の考えや行動を分類します。

引用:https://www.patcrittenden.com/include/dmm_model.htm

なんじゃこりゃって感じだと思いますので、解説をしていきます。

十二時(安定型)から六時(サイコパス)に近づいて行く時計の針をイメージ

この円を考えるときには、時計の針をイメージするとわかりやすいです。

引用:https://www.patcrittenden.com/include/dmm_model.htm

この図のB1-5、時計でいうと11時から1時くらいの位置の人が、(情緒的には)問題のほとんどないハッピーな家庭や環境で育った人です。

従来の愛着理論で「安定型」とされている人です。

逆に6時の位置の人は、A/C(サイコパス)と言われ、壮絶な最悪の家庭環境で育った方です。

ちなみにサイコパスは安定型、不安型、回避型どれにもはっきりとは当てはまりません。ここまでくると、精神疾患はもちろん、殺人等の重犯罪を犯すリスクも高まります。

DMMモデルは、11時〜1時方向のタイプB(ハッピーな環境で育った人)からどれほど6時の方向のA/C(最悪な環境で育った人)に近づくかで、その人の考え方や行動の癖を分析します。

タイプBの人とA /C(サイコパス)はかなり少ないので、大体の人は以下のどこかに分類されます。

  • タイプA1-8(時計の10時〜7時方向)
  • タイプC1-8(時計の2時〜5時方向)

一度に書いたら大変な量になってしまうので、次回以降、このタイプを解説していきます。

今回は、針のスタート地点であるタイプB、終着点であるA/C(サイコパス)の解説をしていきます。

タイプB:11時から1時方向 「安定型」とされている人たち

このタイプは、かなりハッピーな家庭や環境で育った人です。「安定型」と同じと考えて頂いて大丈夫です

特徴としては、

  • 周りの人との関わりを心から楽しめる
  • 周りの人の気持ちに同調できる
  • ポジティブな傾向が強い

といった特徴があります。

タイプBの中でも少し分かれていますので、以下に簡単に解説します。

  • B3:「安定型」の特徴を体現している人
  • B1-2: 「安定型」の特徴がありつつも、少し物静か
  • B4-5:「安定型」の特徴がありつつも、少し自己主張強め

特徴は少しずれますが、いずれも全く問題ないので、従来では「安定型」と一括りにされている人たちです。

全くないとは言い切れませんが、精神疾患等のリスクもかなり低いです。

A/C(サイコパス):相手に合わせて時計の針を動かせる人

ここにいるタイプの特徴としては、

  • 人への共感心が皆無
  • 一見魅力的に見える
  • 相手の行動を読み取り、それに即した行動をする(悪い人と一緒にいれば悪い人となり、優しい人と一緒にいれば優しい人になれる)

といった行動が見られます。こちらのサイコパスの特集記事で深く解説しています。

この領域にいる人は、情緒なんてものは存在しない壮絶な家庭で育った人がほとんどです。

例えば、

  • 恒常的な身体的虐待、精神的虐待
  • ニグレクト
  • 性的虐待

といった感じですね。イメージする「虐待」と言われているものです。

こんな感じで育っているので、「自分」と言うものが存在しません。なので、周りから求められている自分を自由に作り出すことができます

従来の愛着理論でいうと、安定型、不安型、回避型を自由に行き来できるタイプです。

DMMの時計の例で言うと、時計の針を自分の意思でどこにでも持っていける特殊なタイプです。

こんな風に、DMM理論は、タイプBの域から始まり、このサイコパスの域にたどり着く過程をメインとした理論です。その理論を使うメリットについて、以下に解説をします。

DMM理論を使うメリットとは?

もう日本にもかなり広まっている、「安定型」、「不安型」、「回避型」といった3つもしくは4つで分ける愛着理論があります。

これをABCDモデルと言います。

では、このABCDモデルではなく、DMM理論を使うメリットとはなんなのでしょうか?

色々ありますが、それは主に、

  • 分類がかなり細かい。
  • 「感情」をどのように使うのかを分析できる。

といったことがあります。以下に詳細に解説をしていきます。

分類がかなり細かい

従来のABCDモデルでは、

  • 安定型
  • 不安型
  • 回避型
  • 恐れ-回避型

の4つで分類をされていました。

なのでどれにもはっきりと当てはまらない人は、「あなたは大体安定型だけど、回避の傾向もあるね」といった風にかなり曖昧な判断になりがちです。

これは、4つしか判断材料がないことが原因でした。

ですが、DMMモデルでは

  • タイプA1〜8
  • タイプC1〜8
  • タイプB1〜5
  • A/C(サイコパス)

の合計22タイプに分かれているので、大体の場合ははっきりと「このタイプ」であるということができます

「あなたはタイプ〇〇とタイプ〇〇両方だね」といった曖昧な判断には大概の場合なりません。(いろんなタイプを使いこなすA/C(サイコパス)は除きます)

これが大きなメリットの一つです。

「感情」をどのように使うのかをかなり詳しく見ている

ABCDモデルでは、

  • 不安定型:とても優しく、サービス精神があり、接していて心地良い。
  • 回避型:自己表現が少ない

といった風に「この愛着スタイルの持ち主はこんな感情を見せる」といった分析はできていました。

ですが、「とても優しくすることで何がしたいのか」、「自己表現が少なくすることで何がしたいのか」といったことについてはあまり深く考えられていません。

ですが、DMMモデルでは、その感情が人との関わりの中でどんな風に機能しているのかをかなり詳しく見ています。

例を挙げると、

「すごく感情が乏しい人」がいたとします。

従来のABCDモデルだと、

  • 感情が乏しい→回避型の傾向があり、そのために感情を出すのが難しいのであろう。

といった解釈になります(ABCDモデルははっきりと勉強したことがないので、間違っているかもしれません。間違ってたらごめんなさい。。苦笑)

ですが、DMMモデルだと、

  • 感情が乏しい→「弱い自分」をあえて他の人に見せることにより、世話好きな他の人からの注目を集めたいのであろう。

と、こんな風に「相手との関わりの中で」感情をどのように使うのかといった具体的な理由をカバーしています。

なので、DMMのDはDynamic(動的)といいます。

相手との「動的」な関わりの中で具体的にどんな風に感情を使っていくのかもカバーしたのが、DMM理論です。

まとめ

今回の記事をまとめると、

  • DMM理論は円で愛着理論を考える。その円のどこらへんにいるかどうか。
  • その円を時計と考えると11時〜1時がタイプB(安定型)、6時がA/C(サイコパス)
  • 22分類以上あるDMM理論は、4分類しかないABCDモデルよりもはっきりと分類ができる。
  • DMM理論は、「感情をどのように使うのか」分かることができる。

といった感じです。

ちなみにDMM理論の日本語書籍はほとんどありませんが、現時点(2019年6月時点)で以下の本が唯一の日本語書籍になります

ちなみに、筆者がイギリスで使っている教科書の日本語訳版になります。

成人アタッチメントのアセスメント

中古価格
¥8,603から
(2019/6/26 03:07時点)

英語に抵抗のない方は、以下のサイトに概論やDMM理論についての文献について載ってますので、ぜひご覧ください!(Crittenden先生の公式サイトです)

https://www.patcrittenden.com/include/overview.htm

ここまで読んでいただいた方はありがとうございました!次回はタイプA、タイプCについて記述していきます。

3件のコメント

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です